さよなら兄者 “優しいお髭のおじさんと猫” の巻
ここ数日具合が悪そうだとお髭のおじさんから聞き心配していた兄者が今朝方死んでしまった。
明け方までは生きていたけれども兄者は死んでしまった。
昨夜足腰が立たない状態で(でもどうしても優しいお髭のおじさんのところに帰りたくて)工場まで全身びしょ濡れになりながらも這って来たらしい兄者を抱き上げた優しいお髭のおじさんがあれこれと懸命に看病したけれども結局兄者は死んでしまった。
体を拭き水を飲ませ毛布で包みホッカイロを貼り付け箱に入れ頭を撫でながら
「…早くよくなるんだよ」と優しいお髭のおじさんが言ったのに兄者は死んでしまった。
「明日は病院に連れて行こう」と昨夜相談していたのに兄者は死んでしまった。
先週は私の膝の上で丸くなってごろごろと喉を鳴らしていた兄者は死んでしまった。
工場を出る時に
「しばしの別れじゃ」と言ったのに永遠の別れになってしまった。










あんなにかわいかった兄者は死んでしまった。
もう兄者には会えない。

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